「猫めし」シリーズでは、「なんとなく食欲がわかない」「食べづらい食材がある」……といったご経験がある方からの、
「今日はこれを食べてみたよ!」
「この食材、こんな食べ方もあるよ!」
のお声を紹介していきます。
「涙の梅おにぎり」by さえさん(急性骨髄性白血病*)
*急性骨髄性白血病(きゅうせいこつずいせいはっけつびょう)について、詳しくは がん情報サービス の情報をご参照ください。
私の「猫めし」は、 梅おにぎり です。
抗がん剤治療で入院中、副作用の吐き気がひどく何も食べることができませんでした。そんな中、唯一「食べられるかも」と思ったのが梅おにぎり。
数日間、何も口にしていない私が突然「梅おにぎりが食べたい」と言ったものだから、お見舞いに来ていた夫が「病院のコンビニ行ってくる!」とあわてて買いに行ってくれたのでした。
しかし30分経っても1時間経っても戻ってこない…… さすがに心配になったころ、病室に現れた夫は全身が濡れていて、手には約束通り梅おにぎりが2つ。
どうやら病院内のコンビニ、近隣のコンビニではどこも梅おにぎりが売り切れていたらしく、降りしきる雨の中、片道30分かかるコンビニまで梅おにぎり探しの旅に出ていたのだとか……
冷えきったコンビニの梅おにぎりを涙と共に飲みこむ私と、そんな私の様子を満足気に眺める夫。しょっぱくてやさしい、思い出の味です。

※記事の内容はその方個人の感想・体験です。すべての人に当てはまるものではありません。