しみて痛い口内炎。
口内炎ができたときの食事は以下の2点を意識するといいでしょう。
- 口内炎の改善に必要な栄養素を取ること
- 痛みをやわらげるため、食べかたにひと工夫加えること
本記事では、口内炎ができたときのおすすめの食事に加え、口内炎の原因とこれからできる予防方法について解説します。
また、口内炎の改善に役立つ3つのレシピも紹介しています。
1.口内炎ができたときの食事対策
口内炎の症状によっては、食事できないほどの痛みがあることもあります。
しかし、口内炎の対策のために、適切な栄養素を食事からしっかり取ることはとても大事です。また、食べかたを工夫すれば、口内炎が痛いときでも食べやすくなるかもしれません。
ここでは、口内炎対策に必要な栄養素や、食べやすい食べかたを紹介します。普段の食事に取り入れてみてくださいね。
ビタミンを中心に取る
食べものに含まれる成分が、お薬の成分や効き方などに影響する場合があります。不安がある場合は、必ず医療従事者の方に相談したうえでご判断ください。
口内炎ができたとき、炎症の改善のために、ビタミンを多く含む食べものを食べるよう心がけましょう。
特に、ビタミンB2、B6、Cは粘膜の修復に効果があるため、積極的に取るといいでしょう。
■ビタミンB2
ビタミンB2は、脂質をエネルギーに変えるときに利用されるビタミンです。皮膚や粘膜を保護したり、成長を促したりするはたらきがあります。代表的な食品はレバーです。
ビタミンB2を多く含む食材
レバー、うなぎ、モロヘイヤ、たまご、ぶり、さわら、チーズ...etc
■ビタミンB6
ビタミンB6は、アミノ酸の代謝をはじめとする、体のなかで起こる化学反応に重要な役割を果たすビタミンです。赤身の魚に比較的多く含まれます。
ビタミンB6を多く含む食材
かつお、まぐろ、にんにく、ごま、焼きのり、玄米、ししとう、納豆...etc
■ビタミンC
ビタミンCは、皮膚などに存在するコラーゲンを作るために必要不可欠な役割を担うビタミンです。
「ビタミンC」と聞いて連想するものは、かんきつ系のフルーツが多いでしょう。しかし、これらはとても刺激があり、口内炎があるときに食べるのは痛いですよね。
そこで、口内炎がひどいときは野菜からビタミンCを取るといいでしょう。
ビタミンCは水に溶けやすく、熱を加えると破壊されるので、できるだけ新鮮な生の状態で取る方が効果的だと言われています。
一方で、じゃがいもやレンコン、カボチャに含まれるビタミンCはでんぷん質に包まれていて、熱に強いという性質があります。かんきつ系のフルーツだけでなく、温かい料理でもビタミンCが取れることも覚えておいてくださいね。
ビタミンCを多く含む食材
ピーマン、ほうれん草、ブロッコリー、キャベツ、さつまいも、じゃがいも...etc
■鉄分
鉄分は、血液中の酸素の運搬など、重要なはたらきを果たす栄養素です。
また、鉄分は吸収されやすい「ヘム鉄」と、吸収されにくい「非ヘム鉄」の二種類に分類されます。
実は、海藻類、大豆製品など、日本人が普段から摂取している鉄分の大部分は、吸収されにくい非ヘム鉄であることが分かっています。鉄分を取るには、ヘム鉄を多く含む貝類などを食べることを意識するといいでしょう。
ヘム鉄を多く含む食材
煮干し(かたくちいわし)、しじみ、赤貝、ほっき貝、あさり...etc
■亜鉛
亜鉛は、新陳代謝を促進して、皮膚や粘膜を正常に保つ働きを担うミネラルの一種ですが、日本人には不足しがちな栄養素だと言われています。普段の食生活に亜鉛を取り入れることを意識してみるといいでしょう。
亜鉛を多く含む食材
かき、ごま、牛もも赤肉、きな粉、焼きのり...etc
食べやすくするための3つの工夫
口内炎が痛いときでも、ご飯をおいしく食べたいですよね。
ちょっとした工夫で、食べやすい食事に変えられるかもしれません。
1.一口大の大きさで
食べものを噛むたびに、口内炎は刺激を受けます。
大きいままの食材を口に入れると噛む回数が増えるので、口内炎が受ける刺激も増え、痛みやすくなります。
できるだけ噛む回数が少なく済むように、食材は一口大に切るのがいいでしょう。
また、一度にたくさんの量を口の中に運ぶ食べかたも、噛む回数が増えてしまう原因の1つです。
そこで、一口が小さめで、食材を細かく切り分けられるスプーンを使うのもおすすめです。
がんや麻痺などによって食べることに苦痛を経験した方々が、食べる喜びを取り戻すきっかけを作りたい。そんな思いから看護師やがん経験者のメンバーによってオープンしたのが猫舌堂です。
猫舌堂のオリジナルカトラリー「iisazy (イイサジー)」は、「口を開きづらい」「一度にたくさん口に入れられない」など、食べることの悩みに寄り添い、食べるときに口内炎が痛むなどのお悩みがある方でもそうでない方でも、みんなが使いやすいよう設計されたユニバーサルデザインのカトラリーです。
口の中に入る部分は1mm単位で削りだし、口の中で感じる微妙なズレを何度も改善しながら開発しました。
iisazyスプーン・フォークは、一口が小さめなだけでなく、食べものを細かくほぐしたり切り分けたりもできるので、口内炎があるときの食事におすすめです。
生きることは食べること。
食べることは生きること。
家族や大切な人との食事がもっと楽しくなるカトラリーです。
■iisazy スプーン(左)
一般的なスプーンは厚みと角度があるため、口に入れて引き抜くときに上くちびるに「ガチッ」と当たってしまいます。iisazyは薄く平たい設計なので、口が開きづらいかたでも口から「すぅー-っ」と引き抜けます。
■iisazyフォーク(右)
iisazyスプーン同様、薄く平たい設計です。幅が狭くフォークの歯が浅いので、パスタなどの麺料理もちょうどよい量を巻き取れます。
また、口内炎に悩むご家族や周りの方への贈りものとしてもおすすめです。
イイサジースプーンは、口内炎の痛みで食欲がわかない・食べるのがつらいといったお悩みに寄り添う「いたわりデザイン」です。
大切な方の食事をいたわる贈りものとしていかがでしょうか。
2.とろみをつける
口内炎が舌やのどのあたりにできた場合は、食べものを飲み込みづらいでしょう。
そんなとき、食材にとろみをつけて、飲み込みやすくすると、口内炎への刺激も少なく済みます。
また、とろみづけには、「とろみ調整食品」(とろみ剤)が役立ちます。
「とろみ食=介護食」のようなイメージもありますが、介護食は決して特別なメニューではありません。ちょっとのひと手間で、口内炎ができたときにとても役に立つメニューになるので、ぜひ参考にしてみてください。
▼こちらの参考記事では、おすすめのとろみ剤を紹介しています。3.薬を使って刺激から守る
食べものが直接口内炎に触れると、しみるし、ヒリヒリしますよね。
できるだけしみないように、市販の薬を使って口内炎を外部の刺激から保護する方法もあります。
口内炎の薬には、軟膏タイプ、パッチ(シール)タイプなどがあるので、薬剤師の方に相談することをおすすめします。
2.口内炎があるときのおすすめのメニュー
口内炎があるときに、どんな料理を作ったらいいか迷う方も多いでしょう。
レシピサイトでは、口内炎がある場合のレシピが紹介されています。
検索窓で「口内炎」「口内炎レシピ」と検索してみるのもおすすめです。
今回は、レシピサイトのクックパッドから、猫舌堂が気になるレシピを3つご紹介します。
口内炎に!ビタミンたっぷりのお粥 by ぴぴ蔵じゃがいも、キャベツ、納豆でつくる、口内炎ができたときのお助けメニューです。
▶猫舌堂の「気になる!」ポイント
じゃがいもとキャベツでビタミンCを、納豆でビタミンBをしっかり補える一品です。さらに、じゃがいもに含まれるビタミンCは熱に強いため、ビタミンCを破壊することなく取れます。
また、お粥にすることでとろみがつき、食べやすくなりますよ。
鉄分補給に!レバーと小松菜炒め by かずぼーん
くせのあるレバーを、食べやすい味付けにしたメニューです。
▶猫舌堂の「気になる!」ポイント
レバーでビタミンB2を、小松菜でビタミンCを取ることができます。
口内炎の改善に大切な栄養素であるビタミンBを取ることで、治りも早くなるかもしれません。
また、さらに食べやすくするために、材料は一口大に切って料理するといいでしょう。
ふわふわ〜やわらかいマグロハンバーグ♪ by AKARU☆
マグロのアラをミンチにしたハンバーグです。豆腐を入れることで、ふわふわ食感を楽しめる一品です。
▶猫舌堂の「気になる!」ポイント
マグロからビタミンB6をしっかり取ることができ、口内炎の改善に効果的でしょう。また、ふわふわな食感なので、噛むときの口内炎への刺激が少なそうですね!
【 産後はすぐに強い抗がん剤での治療が始まり、味覚障害とひどい口内炎であまり食べられなくなりました。その時は、野菜多めでスパイスたっぷりのスープを自分で作ってよく飲んでいましたね。】
3.口内炎はなぜできる?
口内炎ができたときの対策も大事ですが、まずは、口内炎ができないよう防止することも重要です。
ここでは、口内炎の原因と、その予防方法を解説します。
口内炎の主な原因は生活習慣の乱れ
睡眠不足や栄養不足、ストレスなどの生活習慣の乱れが口内炎の主な原因だと考えられています。
他には、口の中をかむ癖があったり、高齢の方では入れ歯が合わずに口の中の粘膜が傷ついて、口内炎ができる場合もあります。
さらに、病気の症状の一つとして口内炎ができる場合や、抗がん剤治療などの副作用で、口内炎ができてしまう場合などもあります。
症状が長引いたり痛みが強い場合は、病院を受診することをおすすめします。
口内炎予防のためにできること2つ
1.口の中を清潔に
口の中を清潔に保つことで、菌が繁殖しにくくなり、口内炎の予防や重症化の防止に役立つでしょう。
このために、歯磨きはとても大事です。1日に3回毎食後、丁寧なブラッシングを心がけましょう。
また、すでに口内炎ができている場合は、口内炎に当たらないように気をつけながら、やさしく磨きましょう。特に、歯肉に口内炎ができたときは注意が必要です。
歯磨き粉に含まれる一部の成分が刺激となって口内炎を悪化させるという説もあるので、歯磨き粉を使わずにブラッシングだけで歯磨きをしてみるのも1つの方法です。
以下2点、口内炎ができて口の中を清潔に保ちたいときにおすすめの口腔ケア商品をご紹介します。
■ペンフィット歯ブラシ
毛先が極細のブラシと、小さなヘッドが特徴の歯ブラシです。デリケートな部分も優しく磨けます。
■やわらか歯間ブラシ
歯ぐきにやさしいゴム製の歯間ブラシです。細かい食べカスを除去することで、口の中を清潔に保てるでしょう。
2.口の中の保湿
口の中が乾くことで、細菌が繁殖しやすくなります。唾液の量が不足している場合には、水で口をすすいだり、市販のスプレーやジェルなどで保湿をしましょう。
また、高齢になると、かむ力の低下などが原因で唾液の分泌量が減るため、口の中が乾燥しやすくなる場合があります。
口の中が乾くとき、唾液の分泌をよくする「唾液腺マッサージ」という方法もおすすめです。ぜひ参考にしてみてください。
唾液腺マッサージ
①耳下腺(じかせん)
指全体で耳の前、上の奥歯あたりを、後ろから前に円を書く。
②顎下腺(がっかせん)
親指をあごの骨の内側のやわらかい部分に当て、耳の下からあごの下までを順番に押す。
③舌下腺(ぜっかせん)
両手の親指をそろえて、あごの下を軽く押す。
(参考:日本口腔保健協会)
4.まとめ
口内炎ができたときのポイントは以下の通りです。
- 口内炎の改善に必要な栄養素を取ること
- 痛みをやわらげるため、食べかたにひと工夫加えること
少しの工夫で、口内炎を改善しながら食事を楽しめるといいですね。